宿坊は、お寺を体で感じ、心で学べる場所です

宿坊研究会代表 堀内 克彦 KATSUHIKO HORIUCHI

「人生を変える寺社巡り」がテーマの寺社旅研究家
宿坊研究会、縁結び神社研究会、お守り研究会を運営し、参加者1000人を超える寺社旅サークルの主宰や宿坊サミットの開催、トークライブ、海外への日本文化情報発信、寺社好き男女の縁結び企画「寺社コン」をプロデュース
宿坊研究会はAll Aboutの「スーパーおすすめサイト大賞」で審査員特別賞を受賞

主な著書
『宿坊に泊まる』(小学館文庫)
『お寺に泊まろう』(ブックマン社)
『恋に効く!えんむすびお守りと名所』
(山と溪谷社)

宿坊は、誰でも泊まることができます

「宿坊には、お坊さん以外の人でも泊まれますか?」。これは私が宿坊に関する講演やトークライブを行う時、いつも聞かれる質問です。答えはYes、誰でも泊まることができます。宿坊とは、お寺や神社にある宿泊施設のこと。最近は、座禅・写経・仏像に親しむ方の増加やパワースポット寺社めぐりなどにより、宿坊に興味を持たれる方が増えてきました。しかしまだまだ知らない方も多いでしょうし、興味はあるけど泊まったことはないという方もたくさんいると思います。冒頭の質問は、よくある誤解のひとつ。宿坊は、お坊さんが泊まるところだと思って宿泊をためらう方は意外と少なくありません。

宿坊選びは、まず目的を決めてから

写経体験「おすすめの宿坊を教えてください」。これもよく聞かれる質問です。ただこの質問に答えるのは難しい。私が泊まって楽しかった宿坊についてであれば、2晩語ってもたりないのですが、あなたにとっておすすめかどうかはまた別です。だから私はいつも「まず、何がしたいかを決めてください」と答えています。宿坊の楽しみ方はいろいろです。代表的なものとしては、建築・庭園・仏像・絵画など、宿坊でしか見られない文化財目的。座禅・写経・精進料理といった体験目的。そして、お坊さんや同宿の旅行者との会話といった交流目的。この3つに分かれます。それでは、身延町の宿坊を例にご紹介しましょう。

個性あふれる身延の宿坊の数々

覚林坊の日本庭園山梨県にある身延町は、日蓮宗総本山の久遠寺を中心とするお寺の町です。久遠寺を訪れると、まずは巨大な三門の迫力に驚かれるかもしれません。この門の前にあるのが「恵善坊(えぜんぼう)」。ライトアップされた夜の三門は必見です。また、宿坊の門自体が町の文化財に指定されている「樋澤坊(ひのさわぼう)」や、庭園が同じく文化財に指定されている「覚林坊(かくりんぼう)」。武田家の祈願所でもあり、宿坊の名前にも「武」の文字が付けられている「武井坊(たけいぼう)」など、宿坊の見どころを挙げれば切りがありません。またお寺体験で注目なのが、日蓮宗独自の修行である唱題行(しょうだいぎょう)。これは「南無妙法蓮華経」を繰り返し唱える修行で「志摩坊(しまのぼう)」で体験可能です。ほかにも「窪之坊(くぼのぼう)」では、静かに正座を行う静坐会というのもあります。そして宿坊に泊まったらぜひ体験しておきたいのが、久遠寺で行われる朝のお勤め。春夏は5時半から、秋冬は6時からと早起きが必要ですが、早朝の澄んだ空気が気持ちをリフレッシュさせてくれます。

工夫やもてなしの心を大切にする精進料理

麓坊の精進料理宿坊はそれ自体がお寺でもあり、お坊さんの法話が聞けることもあります。私が宿泊した時には、時間の大切さについてお話してくださいました。食事は主に精進料理が多いのですが、これは肉や魚を使わない、食材を無駄にしないなどさまざまなルールがあります。これらは命をいただく感謝の心を表したもので、普段の食生活を見直すきっかけになったと感激される方も少なくありません。しかし、肉や魚を使わないと言っても質素な料理ということではなく、精進料理で大切にする工夫やもてなしの心は料亭にも負けない味を生み出しています。特に身延名産の湯葉はそれぞれの宿坊で工夫を凝らし、箸を運ぶたびにその味わいに驚かれるかもしれません。宿坊に泊まる1日が、あなたの日常の良いアクセントとなることを願っています。

  • 交通アクセス
  • Noboru Masaki 正木昇氏によるプチ修行コラム
  • Katsuhiko Horiuchi 堀内克彦氏による宿坊コラム
  • Q&A お坊さんに質問してみました
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